44th SINGLE
星の降る日に
- 発売日2023/11/22
2011年リリースのベストアルバム「まとめⅠ」「まとめⅡ」の特典ディスクに収録されていたピアノバラード「ラジオ」の配信が、12年の時を経てついにスタートした。幼い頃から親しみ、様々な場面で心の支えになってきたというラジオへの想いが注がれた楽曲は、そのボーカリゼーションにもaikoのパーソナルな表情が滲む仕上がりとなっている。去る10月28日に開催された「ナインティナインのオールナイトニッポン歌謡祭2023」ではバンドアレンジで「ラジオ」が披露され、会場に集まったラジオリスナーたちの心を震わせたのも記憶に新しい。配信をきっかけにより多くの人たちに愛され続けていく1曲になることは間違いないだろう。
「私はラジオを聴きながらツラい日を超えたことが何度もあったので、本当に助けられてきたんですよね。そんな想いを歌った曲を今、ラジオ好きな人たちが聴いてくれていろんな感想を呟いてくれているのもすごく嬉しいし、新曲だと思って感想をくれる人がいるのもありがたいことだなって思います。当時のレコーディングでピアノを弾いてくれた島田(昌典)さんに、『ナイナイ歌謡祭』でも演奏していただけたことはすごく感動的で。しかも、私がCDとまた違うアレンジで途中からバンドインするアレンジで歌えたのも本当に嬉しかったです。時間が経ってもずっと大切に歌い続けていきたいと思っています」
そして迎えた11月22日。aiko自身の誕生日に44枚目のシングル「星の降る日に」が届けられた。ソウルフレイバーで染め上げたサウンドの上に、聴き手のハートを心地よく締めつけるグッドメロディと、<星の降る日にあなたも降ってきた>という印象的なラインを持つ歌詞がのるロマンティックなナンバーとなっている。
「この曲はサビのメロディと歌詞が一緒に出てきました。洗濯物を干しているときにパッと浮かんで、すぐ録音して。その後、洗濯物を干す作業に戻ったんですけど、ずっとメロディが頭の中に残っていたので『これは曲にしてもいいってことやな』と思って、そのまま1曲にしたんです。私自身、この曲にはハートとハートがぶつかって小さなハートがめっちゃハジけるような、ロマンティックなイメージがあったんです。だからサビでは<星の降る日にあなたも降ってきた>のフレーズを2回使っていて。今までそういうことはあまりしてなかったんですけど、今回は大事なことだから2回言いたいなと思って(笑)」
アレンジャーは島田昌典。レコーディングでは島田が鍵盤を手掛けるとともに、浜口高知(G)、須長和広(B)、神谷洵平(Dr)、高橋結子(Per)というライブでおなじみのミュージシャンたちが参加することで、鉄板のグルーブが生まれている。
「ちょっと懐かしさのあるソウルフルな感じというか、グルーブを感じられる曲にしたいイメージがあったので、それをお伝えした上でアレンジしてもらいました。尊敬するミュージシャンの方々に演奏していただいたことで、グッと体温が感じられるサウンドになりました。この曲をライブで歌うならミラーボールを使いたいなって頭の中で思っていたら、バンドのみなさんも『この曲はミラーボールだよね』って言っていて。言葉にせずとも想いが共有できていたのも嬉しかったですね。ちょっとまた今までとは毛色の違う曲になったので、これから大切に届けて行きたいです」
「今回もレコーディングはずっと楽しかったです」というaiko。そのボーカルからは、軽やかにステップを踏みながら歌う楽し気な様子が伝わってくる。ラスサビではグッとエモーショナルになる瞬間も。
「実はこの曲ってステップを踏みながら歌うのがすごく難しいんですよ。『果てしない二人』や『食べた愛』もそうだったんですけど、慣れるまでは動きながら歌うことがなかなかできなくて。だから心でステップを踏みながら、楽しい気持ちでレコーディングしましたね。ライブで歌い重ねることで、ステップを踏みながら歌えるようになったらいいなって思ってます。最後のサビの歌い出しのボーカルに関しては、いろんなパターンがあったんですが、その中からスタッフの方が選んでくれたのが、あのテイクで。感情が音に出ていて好物なのでそこも楽しんで聴いてくれたら嬉しいなと思います。」
シングルの2曲目には、今年4月に配信リリースされた「いつ逢えたら」が収録されている。5月から9月まで開催された全国ツアー「Love Like Pop vol.23」で何度も歌われたことで、楽曲に対する愛情がよりふくよかに育まれたファンもきっと多いはず。それはaiko自身も同様のようだ。
「曲への想いはやっぱり更新されますよね。当初は1対1で、自分の大切な人のことを思って書いた曲なんですけど、ライブで何度も歌っていると<いつ逢えたら><いつ笑えたら><いつ帰ったら>というフレーズの意味合いが少し変わってきて。ライブに来てくれたみんなに歌っているような気持ちになってました。作ったときよりも、またさらに大切な1曲になりましたね。あとライブでは島田さんのアドリブがすごく素敵だったんですよ。だからもしこの先、何らかの形でこの曲をリリースできることがあったら、島田さんにもう一度ピアノを弾いてもらってライブアレンジをこそっと入れたいですね」
3曲目には、片想いの感情を柔らかなムードで想いのままに紡いでいく「名のないハート」が。シンプルで、大きな起伏を持たない構成ながらも、心地よいメロディと言葉に注がれた想いが聴き手の耳を捕らえて離さない物語を描いていく。
「この曲は頭から作っていったような気がします。言葉でメロディーを紡いでいきたいなと思っていたので、フレーズが長くなっても短くなってもノリでメロディにはめていく感じが楽しかったですね。思い浮かんだフレーズをボイスメモで取っておいて、次にもう1回歌ったら、全然譜割りが変わったりしていることもあって。そういう感覚も自分としてはすごくおもしろかったです。ちょっとぬるっとしたサビも自分としてはすごく気に入っていて。ちゃんと着地しない感じもすごく好きです(笑)」
余白を活かしたトオミヨウによるアレンジも秀逸。その上で、aikoのボーカルが音の隙間にまでも揺れ動く感情を丁寧に注いでいく。
「歌は難しかったですね。最後の<名のないハート>は、『何でもないよ』って顔をしながら出したい“ハート”なんですよ(笑)。でも、その前でいろんな気持ちが動いているから、どうしても感情的になってしまいがちで。そこを抑えて、いかにしれっと歌えるかを頑張りました。でも、トオミさんが本当に素敵なアレンジをしてくださったので、歌うがとても楽しかったです。デモを聴いただけで、この曲から見たいと思っていた景色をアレンジして表現してくださって本当に感謝しています。」
シングルの初回限定仕様盤には、昨年12月に出演した音楽フェス「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2022」の模様を収録したDVD/Blu-ray「aiko×RADIO CRAZY 2022」が付属する。谷口鮪(KANA-BOON)、藤原聡(Official髭男dism)、はっとり(マカロニえんぴつ)との共演が大きな話題を呼んだ「メロンソーダ」をはじめ、収録されるのは全9曲。必見の内容だ。
「以前、スペースシャワーTVで『レディクレ』の密着特集をしてもらったんですけど、今回の映像はあらためてaikoの作品として編集し直しているんです。なので、スペシャの番組を観てくれた方も、また違った感覚で楽しんでもらえると思います。『レディクレ』は自分にとって最初で最後のピークなんかなって思うくらい夢の時間でした。これからもしフェスに出る機会があったとしても、あの瞬間は二度と味わえない。そんな好きな人とのファーストキスみたいなライブ、映像でぜひご覧いただきたいです!」
来年1月からはアリーナツアー「Love Like Pop vol.24」もスタートする。25周年イヤーのaikoはまだまだここからも走り続けてくれることになりそうだ。
「アリーナはみなさんとの物理的な距離をどうやって埋めるかが毎回、課題ではあるんですけど、とにかく自分の力が尽きるまで、全公演くたくたになるライブができたらなと思ってます。頑張りますので、よろしくお願いします!」
取材・文=もりひでゆき
- [初回限定仕様盤A(CD+LIVE Blu-ray)]
- [初回限定仕様盤B(CD+DVD)]
- [通常仕様盤]
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収録曲
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Blu-ray/DVD 収録内容 「aiko×RADIO CRAZY 2022」
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